冬の日の夜/龍二
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燃える様な色彩を放つ土手を自転車を引いて歩く。風を感じて、目を細めながらゆっくりと歩いた。
揺れる枯れ草がこすれ合う音と、遠くで自動車が走る音が混ざり合って、雑然とした表情を土手に植えつけた。
生まれ変わるのだとしたら、この風景になりたいと思う様な、そんな風景を目に焼きつけ、家路をゆっくりと進む。
踵の潰れたローファーで少しずつ歩く。ハンドルを持つ手には軍手をはめていたが、既に指先は体温を失っていた。
視線を少し下に向けて、子供の頃、まだ人間の表情が世界にあった頃の話を思い出したけれど、それは下らない事だと思った。声にならない言葉を心に吐き捨てた。
毎日、真っ赤な風景を背に、何
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