たまきの実験/エチカ
車で小雨の降る雨
の中でキセルの灰砂をかん、と落としている。
ガラスの外で冷たい透明の反射の水滴が光にゆれ
ながら傘を差している紳士淑女の皆さんよろしく
シーツのしわのたわみに身をゆだねているとモン
パルナスのキキが赤ぶどうのワインを口移しで注
いでワルツを踊る。
わたしったらまだ沸点をしらないの。などとくら
げのように漂いながらシーツにもぐり唇をまっか
に染めながらたまきはうすぼんやりとほほ笑んで
主の体温を染める。
乳白色の憧れが警鐘を鳴らしているのがみえてシ
ュルレアリスムで再現しようとあらゆる手法をこ
らしてゆすってみせる世界の中でたまきはえもい
は
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