たまきの実験/エチカ
はれない空白の弾力をおんなを使って描いてみせ
るわといいながら遠くのフラスコできのこ雲の実
験をしている。
ぱりん
ひどい異臭騒ぎでおんなどもが揺れ動きながらあ
ざやかに乱れ狂い夜に割れてしまってたまきの実
験は終わったかにみえたけれどビー玉の中で人知
れず深い夜が始まってしまっていてオーケストラ
が夢のようなおんていをとってんかてんと繰り返
したまきはまた実験をくりかえす。
何度も繰り返したたわみの夜に長い幾許の小雨を
嫌がりシーツに包まりすりりと肌を寄せてはみた
が哀に満ちた夜はまだこないのでたまきはふうう
と頬杖ついて狂おしい主にキスして眠る。
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