カモノハシのパンセ5/佐々宝砂
、言うよな。
(無論「勝手にしやがれ」阿久悠作詞)
***
もっとも速いものこそが光であり
そうでないものは光ではなくなるのだ。
***
急がない。
慌てない。
せかさない。
そして絶望しない。
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ファウスト的な求道と堕落の双方を兼ね備えた物語『悟浄出世』は、沙悟浄の空しくも感じられる「自分探し」ゆえに、高原英理的に言えば沙悟浄が「偏奇な個」であろうとしたがゆえに、近代のみならず「現代」に通じる問いを投げかけているように思います。『悟浄歎異』は、中島敦が差し出したひとつの解答でありましょう。三蔵法師という「弱い個」を中心とした孫悟空・沙悟浄・猪悟
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