姉という生き物/亜樹
 
な娘と疎まれる娘だった。
勉強が嫌いだった。小学生時代、クラスメートにやけに頭のよい子どもが多かったせいもあるのだろう。姉は妙な学力コンプレックスの塊だった。私が宿題をしているのを、彼女はどこか恨めしげに見ていた。
一切家事をしなかった。勤めにでていた間、毎朝母が弁当をこさえていた。彼女の部屋は、ひどく汚い。カーペットの色が何色なのかさえもわからないようなありさまだった。
弟妹は彼女のことが好きでなかった。彼らの反抗期は、親ではなく姉に向かった。それは今も続いている。

彼女は、おそらく考えたことはない。
私が、姉の妹であるが故に、私にかされていた重圧を。
誰か、はしなくてはならない
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