重ね/鴫澤初音
 
の悲鳴を聞いて

  朝 あちこちにできた痣を知り

  夜 殴られることを穏かに受けとめる

  朝

  夜

  朝

  夜

   
  交互で訪れる

  ゆっくりと 土を 踏む   ここにあった日常が いつか

  滲んでいく 彼方

  憶えていたかった 自身の

          
           眼を閉じては 開ける  

      唾を飲み込む  咽喉の奥が 熱く

    痛かった

                         こと




  朝 お姉さんはどこにも いなかった 不図 笑
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