ゆきをんなとわたくし/こしごえ
 
けており
みずからをおそれおののく月虹を斬罪に処する

   水月(すいげつ)過日黒曜日(こくようび)

   おもい出の岸をはなれたこぶねが、
帰ることはなかった。
   あなたとわたしは時代の
共犯者であることにはかわりない。
続いていく歴史の中で
歩みを止めれば、おもかげのつめたぁい手に、
ひかれていざなわれてゆく 罪。
 ― (生きてくのだ、何があろうと)、と
その手を染めてくれたあなた。
熱い流れを抱きしめあい


何万年も
めぐりめぐって降ってくる雪
俗世界に落ちてもなおしろく
(しろいゆきはかなしいくらい うつくしい)
しかし同じ
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