ゆきをんなとわたくし/こしごえ
同じ冬とは二度とあえない
うつくしい、とはなんなのか。
わたくしをかえりみず
その手をとれば
うつむいて 零れるばかり
約束された
死をもって かきいだく
みずからのみにくさ
みにくい、とはなんなのか。
かえりみなかった
みずからをあざわらうわたくしが、
ふちにしずむ鏡をすくうように目をふせてしまう。
雪国の一面は、銀世界
冬ごもりをする山脈や森と田園
しずけさにみちる冷気のほとりを
終らない季節の風紋が
雪明りとなって
夜道をうかびあがらせる
新雪を わたるあしおとあつくなり
くりかえされる 空の永逝
その昔、すべてへ雪降る夜に、
をんなは月人(つきひと)と契りをむすび
とけていってしまった。
白鳥が、星星をむねに 高く鳴きつらねている
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