『真昼の星』/東雲 李葉
真昼の空を仰ぐ。星はどこにもないけれど、
見えないだけで本当はそこら中に溢れているんだ。
どんなに視力を上げたって見つからない、
高性能な望遠鏡もどんなレンズも役に立たない。
君には聞こえるかな。感受性の乏しいこの詩が。
乾ききった唇じゃそんなに遠くまで飛べないけど。
せめて欠片だけでも拾ってやってくれないか。
誰かに認めてもらわなきゃ今にも消えてしまいそう。
真昼の空を仰ぐ。星はどこにもないけれど、
本当は今日の夜にも星はないのかもしれない。
青い青い青い 空に溺れそう。
真冬の空は作り物みたいに澄んだ色。
君は知っているかな。名もない詩人のこと。
たとえ名前を持っ
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