鳥の国に行ってきました2667/人間
えよクソ鬼畜野郎!」
自分だけが不幸だと思ったら大間違いです あ 周りが見えないか 鳥目だから
「うまいかまずいかだけで!分けられる!我々が!うまいばっかりに!」
そうそう
あなたの体の 苦肉の味が
わたしの舌の 旨みの凹みに
嵌まってしまった
ピタリと
声が
聞こえなくなって
半額シールの裏で鳴いている 油鍋の中で飛んでいる
ダシ汁の底で番っている 強火の上で歌っている
卵には収まりきらない味を孕まされた豊かな鳥の
股を縦に割って 生を横からいただきます
戴いた命は食わねばならない とはいえ有り余る旨み
唇からこぼれ出す 頬が飛び立つ 舌の根がぬめる
やけに人様
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)