詩/わら
も、望めども、
真に届かず、
そして、ただ、
人を愛する資格さえなかったのではないかと
思うのです。
もしも、だれかに愛されたなら
未来は変わっていたかもしれない
と、幾度となく言葉はこぼれ、
そして、
存在意義さえも見失った自分は
この世界にとって不適格であったことを悟るのです。
日々の些細なことにでも痛み、
それでも、人々の前では
何事もなかったかのように笑いつづける、
どこにも居場所のない私にとって、
詩は
せめてもの救いでした。
わらのように儚くとも、
それにすがっていたのです。
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