白熱/佐々宝砂
トホールは仮想の存在で しかし 俺はホワイトホールを知っていたんだよ ホワイトホールは常に俺の中にあって 俺はほんとうにそれを持て余していた あんたには信じられるかい 想像できるかい 自分自身では何を吸収しようとも思わないんだ 俺はからっぽなんだ からっぽだけど何ひとつ吸いこみゃしないし 何ひとつ学ばないんだ なのに俺の中からずるずるといろんなものがでてくる それはホワイトホールのせいなんだ 俺のなかにある白い穴 想像できるかい できないだろう できるとは思っちゃいない その白い穴は熱いんだ 熱くて底なしで 白くて 俺は白い紙にいくつも直線を引いた 直線が重なり合うことによってできる曲線のようなも
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