ハピネス/いとう
 
よくわからない概念
ちくわぶの空の上にハピネス。
私たちが想像するその空の上
そこにどのような概念があろうと
それはフィクションであり実在の人物及び団体とはいっさい関係ありません


「バーリドゥ、ウンム、バーリドゥ」と言いながら息子は息を引き取りました。空襲警報が鳴って、飛び起きて、でも息を潜める間もなく轟音が、真っ白になって、気づいたら息子を抱えていました。今思うとどこかに破片が刺さって、だから真っ赤で、でもだんだん黒くなって、手で押さえて、押さえているのにウンム、ウンムって砂煙が舞い上がって、傷口が見えません。前が見えません。今も見えません。


ハピネス。
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