なんでもない一週間/小原あき
雨が止んで
水鏡に映ったわたしは
浮浪者のようだった
事実、わたしは
帰るべき家を忘れてしまっていた
小さな子供みたいに
倒れこんで地面に突っ伏したら
枯れ葉になりたかった
木曜日
案の定、風邪をひいたわたしは
熱があるせいか起き上がることができなかった
頬っぺたに砂利をひっつけながら
ただ、地面にしがみついていた
近くにあった木が
布団を掛けてくれた
枯れ葉がわたしの背中に積もって
昨日の願いが叶った気がした
枯れ葉はどんどんわたしを隠し
きっと焼き芋にされてしまうのだろうと思った
そんな意味不明な思考回路
きっと熱にうかされている
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