「ベランダと猫」/ソティロ
 

それは出来なかった
この猫もいつかは死んでしまう


洗濯をするのが割に彼の気に入った
自分の分だけならそうそう溜まらないし
猫は服を着ないからだ
たまにベランダに出るのも気分がよかった


日光、
彼は南向きの部屋で寝起きするのがはじめてで
直接の日の光がとても健康によさそうな気がしていた
実際のところはどうかわからなかったが
少なくとも気分は良かった


ある晴れた明るい朝
ベランダで洗濯物を干しているとき
彼がベランダに出ると猫は出たがるのだけれど
それは放っておいて彼は太陽を見つめた
りーん、と目の奥がなったようになる
干したTシャツが{ルビ温
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