純白恋夢/愛心
ざいます。
貴女様を自由にする為、この姿になりました」
膝まづき、姫君に今までのことを話す。彼女は聞き終わると、静かに聞いた。
「ここから、出して」
「ええ、構いません。僕と共にいてくれるのならば…」
「私はメトル様の…」ぷつり。何かがちぎれる音がした。
「貴女は僕のものです!」
姫君の表情が凍る。僕は気にせず続ける。
「ここは狭い。一緒に行きませんか?外の世界へ」
座り込んだ優しい彼女は、涙を一粒流し、心を失った。
それからの間、彼女は無のまま、生きていた。話しかける時のみ、扉を開けた。
彼女は僕の思いどおりになった。
誰にも邪魔されない。二人だけの時間。
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