純白恋夢/愛心
 



は、激しい痛みに襲われた。
体を引きちぎられるような暗示にかかった。

気付いたとき僕は、全身ほとんど純白の、翼の生えた青年に変わっていた。
鏡に写った僕は、なかなか美しい青年だった。
僕は、眠っている姫君を、大きくなった鳥籠に捕らえる。
床には溢れんばかりの、色とりどりの羽が散乱していた。

美しい姫。美しい羽。一種の芸術だと、僕は思った。

「…ん。ここは…?」
「姫、おはようございます」
姫はあとずさった。
「貴方…だぁれ?」
怯えきった表情。僕は開けっ放しの扉から入った。
鳥籠は広く、僕が入っても、少しも窮屈じゃなかった。
「貴女様が飼っていらした鳥にござい
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