純白恋夢/愛心
 



優しくそう言った。

こくりと頷いた。
この声は神か悪魔か。僕はどちらでもよかった。

《そうかそうか…。いいだろう。人間にしてやろう》
「ほ、本当に?」
声は笑って言った。
《引き換えに、お前の姫君の心を貰う》
「心…」
《そう…。心》
「…駄目だ。心なんてあげたくない。僕は、彼女の全てを捕らえるんだ」
《なら、お前の命を貰う。なに、安心しろ。すぐにとは言わん。天が奪うさ。
鳥籠も大きくしてやる。姫君を捕らえるのだろう?》
「ああ、それよりも、早く人間にしてくれ。早く、翼を持った人間に」
《ふふふふふ…いいだろう。さあっ、目をつぶれ!》

言うとおりにした僕は、
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