美しき祖母よ/黒猫館館長
 
を失い、ただ苦痛に怯えて死を待つだけの生き物。

見ろ!神よ!
これが「 に ん げ ん 」だ!
おまえの造った万物の霊長のなれのはてがこれだ!
良く眼を開けてみておけよ。


やがてわたしは祖母の病室に入る。
もはや祖母であるとはいえないような痩せこけた小動物がそこにいた。
彼女の生命を保つために四箇所もの細い管がしなびた身体に差し込まれていた。

わたしは祖母の側の椅子に座る。
ただそっと祖母を見る。
言葉などもう出ない。
こんなになった彼女の前でわたしは何を言えば良いというのか!

わたしは涙を飲み込んだ。
意識はあるのか。
眼は見えているのか。

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