両刀論法の彼方に/榊 慧
一つ一つ、弱くなっていく自分を意識した。
一つ一つ、見失っていく自分を理解した。
総てを薙ぎ払い、総てを捨てて、自分は戦場に立たねばならないのに、
自分は彼の残像を背負いそこに立つ。
これでは、初めから負けているようなものだ。
自分は、勝たねばならない。
オクシモロン・エラト。
両刀論法の彼方に。
最近好んで出入りしている図書館で、
雲を掴むような理想ばかりを書き連ねた書物を読んでみたり。
そのあまりにも非現実な在り方に憮然とした。
その癖、その在り方に自分は同調している。
机上の論理に傾倒している自分を情けなく感じた。
所詮、
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