一足先に抜け出したきみへ/udegeuneru
 
違うな。うまいこと例える必要もないか。

とにかく僕は手を離したんだ。
きみはひどくこわかったろうね。
ひとりで泣いていたんだろう?

僕はダメな奴だと思うよ。
だから手を離すしかなかったんだよ。許してくれよ。

本当は手をつないで、2人で一緒に浮上したかった。
あの時のようにね。
だけど、よわい僕には無理な話だったんだ。

気づいたら君はここには居なくなっていた。
自分で手を離しておいてこんなこと言うのもなんだけど。

手を離したことも気づいてなかったんだ。
深い眠りについていたんだ。

手を離したとたん、きみは眠りから覚めた。
きみは元に戻ろうともがいた
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