十の取り残された意識/プル式
 

赤い涙で洗われる
恋に落ちる犬
スピードという未来
ノイズと言う世界

四。

虹の中に立てる人が聞く
君は何処に行くのかね
僕は答える事が出来ない
誰かが手を叩いて僕を呼ぶ
そうして気がつくといつの間にか虹を降り
未だ橋の上に立つ過去の自分をあざ笑う
ここまで来てみて判る
過ち
そうして変わりだす記憶
そうして動き出すイメージ

五。

眠りについた枕元にある小さな窓から
哀しみを投げ入れたのは誰
光の中に見えた背中
白い中に浮かぶ緑の森と青い海
何も話すことが出来ない
全てが奪われたから
本当
そうそしていつか記憶の中で
手を振りながら
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