十の取り残された意識/プル式
がら消えていく背中
二度と会えないのだろう
六。
全てはあるように決まっているのだろう
いつものように仕事に向かい
いつものように同じ道を歩く
上を見上げる事も無く
50/50
同じ様に別の人生もあったのかも知れない
そう思い地下鉄のキヨスクで
趣味の悪いネクタイを買ってみた
小さな抵抗だけれど
七。
目覚めたばかりのぼんやりとした
意識
窓から外を見ると月が浮かんでいる
僕は何を思うのだろう
手のひらには何を握っているのだろうか
オセロの様に一つ真実を見つける度に
一つ嘘が見えてくる
目の前に見える月はもしかすると
月は映し出された幻影な
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