『化石の街』/東雲 李葉
眠らない街に迷い込んだ。
極彩色の光が淀んだ空気に鈍く映る。
目を覚まさない空を見上げた。
止まったような時間の中に濁りきった月が浮かぶ。
人を貶めて誰かの影に怯え廃れた約束に縋りつく。
忘れ去った昨日を足りない指で数えたって元には戻らない。
帰る所なんて無い。何処へ行くかも分からない。
眠らない街は眩しいけれど明るくはなくて。
目の覚めぬ空は僕のことなど何一つ知らないまま。
彼方の未来を見越そうと超高層の鉄塔の上。
朝さえ来ないこの街が世界のすべてだと知った。
今日が何時だか分からない。昨日は何時までだろう。
眠らない街では錆びた骸達が闊歩して、
造られた光源が
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