『化石の街』/東雲 李葉
源が雲の肌から僕らを見下ろしている。
ずっとこうやって時間は流れていって、
いつか瓦礫も骨も土へと還るのだろう。
だとしたら僕らの生きてる意味は何?
夜明けを知らない子供達は如何して明日へ歩き出すの?
月は崩れ去り僕は欠けらを握り締めた。
裏切られた夢は屍の心臓に突き立てられた。
夜の果てに見た暁が炎える景色を描いて、
幼い子供らは覚めない空の下で眠るだろう。
眠らない街は化石となって横たわり、
光の差す日を夢見て静かに小さな呼吸を止めた。
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