「熱帯夜」/ソティロ
 
を持つということはとても大切だと思う
そしてそれに抵抗することもまた大切だ
そういう風に人間はやってきたのだろう
しかし騒音はとても耳障りで迷惑なので
出来ればやめてほしい


そのなかにひとり夜を越えるために
スピードを求める者がいるといい
夜のはやさよりも速く
ただ、ひたすら逃げる
そんな奴がいるといい
一直線に伸びる国道を
仲間達で不法封鎖して
そいつをいかしてやる
ヘルメットは被らずに
目一杯右手首を手前に
ある速度を越えたあたりで
たぶん世界が変わるだろう
でもそいつは一層逃れられなさを知る
もう
メーターでは表せなくなって
それでも加速を続け
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