「 マグロ退治の午後。 」/PULL.
 
ともなくチャイムを鳴らし続け、そのリズム感をアピールしている。
 やはりどう思い返してみても「ヒノドリ」なる人物の心当たりはない。それにマグロ、どこかの秘密結社からの嫌がらせだろうか?この間街でからかったキャッチセールスの若者の仕返しか?それともK子の差し金か?。分からない。心当たりがない。それにしてもマグロマグロマグロ…。
「ヒノドリさんからの新鮮な本マグロのおとどけものですよー。早くしないと腐っちゃいますよー。」
 ナニ?早くしないと腐る?魚屋かおまえは!。余計なことを言うやつだ。ひとり暮らしをはじめてもう、十ウン年になるが、こんな余計なことを言うしつこい配達員は、はじめてだ。聞いたこと
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