記憶の断片小説・ショートシネマ 「ロイド」/虹村 凌
その後、僕達はバラバラになって、それぞれの用事を済ませたのだった。
僕は滞りなく大使館でVISAを申請してきたのでした。
以降、しばらくロイドに関する記憶が無くなる。
僕は、ライチがどうしようもなく好きだったから。
再びロイドと会うのは、僕がライチに対して、ある程度の怒りを感じてからだった。
ライチが他の男と遊んだとか、寝たとか、それは僕を試す為だったとか、
そんな事が重なって、僕はライチに対して憤りを感じている時期だった。
別段、ロイドに特別な感情を抱いていた訳じゃないのだけど、
少し、気分転換したくて、会いに行ったんだと思う。
本当は、この前の続きがしたかったんだけ
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