記憶の断片小説・ショートシネマ 「ロイド」/虹村 凌
 
った事も覚えている。
ちなみに、ハイテンションとは和製英語で、本来はこんな使い方はしない。
ライチは到着するなり、「もうシたの?」みたいな事を聞いた。
僕は首を横に振りながら「まだ」という様な事を答えた。
するとライチは、「え?!何で?!シてないの?!」と驚き、突っ込みを入れた。
僕の所為で、ロイドに恥をかかせてしまった!と焦りを感じたが、
どう動いていいかもわからず、動揺しまくった挙句に、
「べ、別に…そういうコトしにきた訳じゃないし…」
と消え入りそうな声で、顔を真っ赤にしつつ、
マガジンに連載されていたBOYS BEに出てくる童貞男子みたいな台詞を、
この便所に向かって突
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