本屋にて/※
演説を繰り返している
けれど案の定
無視されるばかり
その真横で暇そうに天井を見つめる小泉総理
唾つけた指で おばさんに
摘ままれる舌先から
ぺらぺらと、
めくる度に流れるチープな演説
店内に、響かない
哲学している老人の脳味噌の皺という皺を
丹念に数え続けるサラリーマン
着飾った衣装を振り撒くモデルに恋をする少女たち
数知れない人々が
今日も売り買いされている傍で
あちこち皺くちゃの賞味期限を過ぎた何人かは
極めて作業的に返品されて行く
綺麗なまま
返品されてく人も居る
そんな人々の陳列の先頭では
今日も高らかと、愛を叫ぶ青年が持て囃されてい
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)