本屋にて/
※
ていて
まるでそこが、
世界の中心みたいに見えた
片隅で じっと座っている群衆の中の一人を
掴んだ女子高生が
つまんない、と吐き捨てる
売買する側も
される側も
互いが一方通行の思惑を
金銭を介して成就させている光景の中に
ぽつんと予約席の狭間から
あくびを、ひとつ
呑気な彼女を袋に詰め込んだ店員は
ありがとうございました、
丁寧に頭を下げている
僕はと言えば、
こないだ出たばかりのゲームの攻略法を
ガキんちょ相手に
得意げに語らう毎日だ。
戻る
編
削
Point
(1)