夏についてのスクラップ/水町綜助
 
の部屋だった

隠されている
ひあたり
のよい
そこで
君は課題なんかを片づけている
君の頭上の
(天井の
 上の
 二階の
 部屋の
 天井の
 上の
 あかい屋根の
 上の)
空は
そりゃ青い

僕はといえば
横をすり抜けるように
光の帯を
ひとみの
ガラス体に
ながすだけながして
それだけ
って
あとは余白を眺めて

茫洋と

空虚さのあらわれとか言ってしまいがちな
空冷並列四気筒をクランキングで満たして
それで
排気音はそりゃ高くのぼってゆくんだろうけど
僕はヤンキーじゃないし
そんなに胸がすくもんでもないよ


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