頭脳ホテル’81/石原大介
 
のつるりとした繊細なマーブル下腹部めが
まるで水風船さながらにどんどんどん
半透明に膨れ上がってまいりましたので
俺様急速に事態の深刻さを察知
とりあえず蛇口を元栓からきつく絞ると
ぬるぬるした裸足のまんま寝室に駆け込み
内線でフロントを呼びつけたのでありますが
アホ万年アホマネージャー例のごとく
マージャンに出かけたっきりいまだ帰らず
で、こんな真夜中に孤立無援の俺様
皺くちゃのダブルベッドのふちに腰を掛け
キャメルを一服し精神を統一いたしたところ
そもそもなんでホテルの浴室にヤァモリイイなんぞおるんじゃい?
と今度は無性に腹が立ってまいり
さっきの銀座マダム風白塗り
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