ドルイド谷垣の『新釈奴隷道!』 第一回/人間
的な方法があった筈です。
手紙で渡すにしても、御主人様の清らかなる御手に触れるものですので、
薄給を絞ってでも高級な便箋とインクを使い、徹底した滅抗菌処理の後、お渡ししましょう。
一流の奴隷ともなれば、金銭と配慮は尽くさねばなりません。
「暑さ日増しに厳しくも、樹々の緑深くなり、目にも涼やかになって参りました。
突然のお手紙、申し訳御座いません。さぞかし驚かれた事でしょう。
不躾とは知りつつ、この想いを貴女様にお伝えせずには居られませんでした」
等とお詫びと季節の挨拶から始まり、
次いで、自己紹介や一目惚れの経緯を簡単に説明し、
「是非とも一目お逢いし、私の話だけでも聞い
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