『最果て』を読む/渦巻二三五
 
ている遍路姿の旅人とも違う。この生き生きとした生臭さはどうだろう! 健康な肉体と血と、さらに野心さえも持っているかのような、力強さを感じさせる。まるで伝説の宝探しに来た屈強の若者たちといった趣だ。
 この「最果て」とは彼らにとって何であろうか。「最果て」への旅とは何であったのだろうか。
 ともかく、彼らは長い道のりを経て、たどりついた。「最果て」にたどりついたことをよろこんでいる。
 そして、生きていることを確かめ合っている。暗い荒れた海を前に、火を焚いて、おどって、うたって。
 お互いをさがしながら、ついに再会できたよろこびは、お前も生きてたどりついたか、というよろこびだろう。
 「血
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