『最果て』を読む/渦巻二三五
「血をもらってくれ」
とは驚く台詞だが、これは何かこの地の「巡礼」の儀式のようなものなのだろうかと思う。
あるいは、そう呼びかけずにいられないほどに、そこに至るまでが苦難の道であったのかもしれない、とも思う。どれほどのことがあったのかはわからないが、同じ「最果て」を目指したどりついた同志であるという気持ちとともに、お互いの「生命」を具体的に確かめ合いたいという衝動が自然と生まれるほどの何かが、あったのかもしれない。四国のお遍路さんとは違う、自らのたくましさから出る衝動でもって「最果て」を目指したのであれば。
「最果て」は滅亡後の風景であろうか。それとも、まだ生まれない始まりの風景だ
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