くちぶえ/モーヌ。
 
空に 畳句で 転がって 走句に なり

遠望する 田んぼの 少し 伸びた 苗を 過ぎ

ヒメジオンや アカツメクサや ノカンゾウ

白と 紅と オレンジと みどりの 清楚な 疾走が

緑園の 伸直する 帯を はせ

見上げた 天の橋の 下を くぐり 抜ける

巣立った ばかりの 子の 燕尾に 乗った





くたびれて 眠った あと

くちぶえを 吹きながら 立つ

風来の ように

はげしい 変転を 夢見て いた...

時は 経って いて

もう すでに それらの 夢や 旅程は じぶんの

内部へと 編みこまれて いるのでは ないか
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