くちぶえ/モーヌ。
そこはかとなく
カオス から はじまる
巣箱の なかで 羽音が する
複数が 単数を 響きあう
羽音が する
とおく 草陰に 一軒の 廃屋...
誰かの 追憶を 骨組み
胸の 孤鳥(ことり)に 薫った スケルツオが
ひかりの 霧雨を ささやいた
真冬に 駆け抜けた はずの 風の 叫びを
朽ち こぼれた 家屋の 水珠に
変化を 飛んで ひからせる
はれ くもり
フルート リュート
踏み 荒らされて いない 放課後 には
ぼさ ぼさの 髪で やさしく つかまえられた
時空に
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