野畑〜生えた先の双葉/鯨 勇魚
 

  砂を丸めて
  固めた
  割れるなら 割れるなら
  ひそやかに水は
  ながれていますから

逃げてしまってはいけません
あたし≠きみ
おふとんふわり
きみ=あたし
しろいシーツと
きみのなかをかきわけて
見つけだす心は
ひとつなのです

いつもの画面をみつめて
あたしの残炎なのかしら
それを擦るように
触れた後です
違う人のおふとんで
ガムを噛んだ記憶だけ
夢でしょうと
吐き出したくなります

  それはあの夢の
  皮のささくれ立ちる
  それらからは
  滲むその無数に合流しあい
  源のきみともひとつなのかも
  しらな
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