野畑〜生えた先の双葉/鯨 勇魚
 
うで
きみがはじけて
希望って
おおきく背伸びするのって
激しく誕生の光りで
おおきく泣いて
薄くわらってもいて

だれかしらが
あたしの境界線から
蔦が地面から
入ってくるよと
そのことをいうの

丘の下に
地の底に
きみの実
ひそやかに

(みず に ひたる)

心の浸食を
どうにかしてよと
川沿いのあき缶に飛び降りたり
確認は一度っきりって
決めたように笑いぐさ
あき缶は蓋が幌のように
柔らかく
やわらかく

中身が全部
きみの夢うつつ
の中に落ちる
それはいけないことなんだよ

  あの瞳は
  地球かもしれません

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