青い鳥が青い訳/桜井小春
しとしとと雨が降る昼休み。美奈子はいつも通り、おなじみの女子のグループに混ざり、綺麗な箸遣いで少しずつ、少しずつ、弁当の中身を口に運んでいる。
俺もおなじみの連中と昼飯を食べる。美奈子の様子を横目で伺いながら、ダチとの下らない話に花を咲かせる。いつもと変わらない光景だ。しかし今日は少し違った。
美奈子は弁当を食べ終えると、グループの連中と一言、二言を交わし、小走りで俺の横にやってきた。
「拓斗、話しがあるんだけど」
来た来た、と言わんばかりに周りの連中が冷やかす。美奈子には蛙の面に小便だが、俺はこういった空気が好きではない。少し不機嫌になって、空の弁当もそのままに、さっさと廊下に出
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