26歳の森/円谷一
アクションをした 暫く沈黙が流れた その流れを全部暗記したというようにニヤけて岩から飛び降りて 1ジャンプで僕の所まで来た そして右手を翳し身長差を測るように移動させ ニッコリと笑った
彼女は生きていた 僕はだんだん明朗になり質問攻めをした 全ての質問に何も答えずただにこやかな表情を浮かべていた 僕はだんだんと質問のペースを落としていった 口を閉じると何も起きない時間が流れた そして彼女は少し俯いて 初めてごめんねと言った 僕がその言葉を飲み込む時には彼女の瞳には涙で溢れていた そう言い終えると少しずつ美妙な体が透けていって 手で掴もうとすると無数の光の玉となってぱっ と弾け眩しい光に包まれた
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