26歳の森/円谷一
 
った もしかしたら彼女の遺体が見つかるかもしれない 足元に気を付けながら 足早に紆余曲折した道を進んだ
 森の様々な成分を含んだ匂いがキツい しかし彼女の肌の香りが微かに導くように香るのでその通りに歩いていった 大分前に水分を含んだのか やけに湿っぽい そしてそれは匂いに任せて進んでいくにつれてだんだん酷くなってきている するとある途中で渇いた地面に戻り ライトに集まる羽虫を叩き(叩く前から羽虫は張り付いて死んでいた) 匂いが最高潮に達した時 前方に注意深く光を照らしてみると なんとそこには留守番をずっとしていた孤独嫌いの子供のような横に長い巨大な一枚岩の上に飾りのように横たわっている白のワンピ
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