哀しみ皇子(5)/アマル・シャタカ
た、そういって
ぼくの涙をハンカチーフみたいなもので拭ってくれた
なんだか、涙が止まらなくて、ボロボロ
「皇子、この涙を宝石にして、記念に置いておくよ」
オジサンはそういったけど・・・けど・・・
ぼくの涙はやさしさが加わっていないからダメだって、さっき
「皇子、宝石にするための優しさの涙には、条件が二つある
一つは、誰かのために涙を流すこと
ただ、これは自分のために涙を流しても、原石としては使えるんだけどね
そのかわり、宝石としては、一級にはならないんだけど
そして
もう一つは・・・・・
これは、皇子、君が自分で考えなさい
皇子にならきっとわかるから
君が、哀しみ皇子で
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