「だらしないイカ」/ソティロ
 
を分け合って、食べている様子は、どこかおかしかったけど、不思議な連帯感を生み、みんな笑っていた。



 ぼくと彼女も、イカ焼きそばを大盛りで注文して、「いただきます」と言って、食べた。イカは意外にも、とてもおいしかった。適度な弾力と歯ごたえ、にじむ風味。イカを特に好きでもなかったぼくが、とてもおいしい、と思った。彼女も同じらしかった。大勢で笑って、の食事はおいしい、というのもあるだろうが、きっとそれ以上にイカはおいしかった。



 やがて日が暮れて、イカはあらかた食べられた。残りは保存するらしい。みんな一様に満腹になり、多くの人は家路についた。テレビ局の連中も、撤収していた。イ
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