「だらしないイカ」/ソティロ
 
。イカを片付けた後、残ったわずかな人達で、花火大会がはじまった。いつもは花火禁止の砂浜も、この日は無礼講らしかった。始末をきちんとするように、あまり遅くまでしていないように、音の大きなものは控えるように、とだけ居合わせた役人に注意され、つまりそれを守る限りは花火をしても良いということだった。
 ぼくと彼女はいろんな花火を試したあと、少しはなれてみんなの様子を見ていた。そしてだらしないイカについてあれこれと話した。ぱちぱちといろんな色の光が夜の海を照らしていた。
 結局なんじゃったんじゃろうね、あのイカ。
 さあ、おれはてっきり人類に警告を与えに来ちゃんや思った
 あはは、でも喋らんかったね
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