哀しみ皇子(3)/アマル・シャタカ
みにあげた
哀しみの真ん中にオルゴールは沈んでいって、そこで音をだしている
みるみる哀しみが元気になって、なんかキラキラしてきた
不思議だなあ
「たまには、こうやってやらないと、哀しみだって歪んじまう」
オジサンは哀しみを撫でてあげた
シミジミ〜シミジミ〜
姿は見えないけど、表で哀示美鳥が鳴いているみたい
よかった、まだ、置いてけぼりじゃなかったみたい
哀しみは、オジサンになついている
失礼しちゃうな、ぼくは哀しみ皇子なのにさ
オジサンは、どこか遠くを見ているようだった
酔っているの?甲羅ってお酒じゃなかったよね?
「琥珀色を飲んで酔わない奴は大人ぢゃ
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