哀しみ皇子(3)/アマル・シャタカ
 
ぢゃないさ」
オジサンは口から音符をはきながら、ごきげんそうにいう
「皇子、涙の総量はね、じつはこの星そのものなのさ」
え?よくわからないよ、オジサン
「これは、俺のじいさんのじいさんのじいさんのじいさんの、そのまたじいさんぐらいからの言い伝えらしいけどな」
ものすごく昔から、ということだけは、わかった

とうさん、かあさん
大人の話は、前置きってやつが長いね
話はまだつづくみたいだけど
ぼく
書くのにつかれちゃったから
また、手紙にかくね

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