哀しみ皇子(3)/アマル・シャタカ
 
ー、なんだ、この味?まずくはないけど
「皇子にとっては、未来の味だからね、まだ早かったかもしれないな」
オジサンはぼくを見てやさしく笑った
未来の味?なんのことだろう
ねね、あのさあ、そういえば
涙のそうりょうってなにさ?ぼくはオジサンに聞いてみた
オジサンは「甲羅」をラッパ飲みしては
口から音符をはきだしてご機嫌だったよ
「その前に、皇子、抱えた哀しみをテーブルに乗せなさい
その子にもいいものをあげよう」
ぼくはいわれるままに、哀しみをテーブルに乗せた
よくみていると、コイツ、元気がない、というか濁ったかな?
「さあ、これをお食べ」
オジサンは小さなオルゴールを哀しみに
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