父の日/北乃ゆき
父を知らない私だけの知り合いが増えてきただけで、父を知っている人からはやはり「年々お父さんに似てきたね」と言われる。ところが私はどうも子どもの頃から私は父とソリが合わなくて、結果父と似ている、と言われる事が好きではなかった。父は社会的にはそれなりの事をした人だったし、職場でもそれなりの信頼や人間関係を築いていた人だったけど、どうも人付き合いを浅くする事でそれなりの関係を保っている様に見えてしかたなかった。父が「深い」付き合いを許したのは家族と姉妹と親友だけだったと思う。そして父が50代後半の時私は10代後半、丁度家族以外の人と関係を作る事を人としてのステータスと勘違いしはじめた時期だった。だからそ
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